広域緊急援助隊 | 中部管区警察局

広域緊急援助隊は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、平成7年6月、大規模災害発生時において、迅速・的確な災害警備活動を行うために、都道府県の枠を越えて広域的に即応でき、かつ、高度な救出救助能力、自活能力等を有する災害対策の専門部隊として、全国の都道府県警察に設置されました。

シンボルマーク

マーク全体は鳥をイメージし、部隊の迅速な出動を表現しているほか、鳥の胴体は日本列島、翼はセーフティー・スピーディー・スペシャリストの「Ｓ」、赤色の丸は被災者救出に寄せる広域緊急援助隊の情熱、黄色の丸は警察と地域の連帯の輪を、それぞれ示しています。

広域緊急援助隊の任務

国内において大規模な災害が発生し、又はそのおそれがある場合、都道府県の枠を超えて迅速に出動し、直ちに被害情報や交通情報の収集、被災者の救出救助、緊急交通路の確保等の活動に従事します。
広域緊急援助隊は、救出救助を行う警備部隊、緊急交通路の確保等を行う交通部隊、検視や遺族等への安否情報の提供を行う刑事部隊で構成されています。

広域緊急援助隊の組織

広域緊急援助隊は、全国の都道府県警察に設置され、約5,600人の警察官等が指定されています。
隊員は、機動隊員、管区機動隊員、交通機動隊員及び高速道路交通警察隊員の中から、災害警備に対する能力、体力、気力等を備えた者が選考されています。

警視庁及び北海道警察を除く府県警察の広域緊急援助隊は、各管区警察局のもと、管区広域緊急援助隊として編成されています。

全国16都道府県（注1）には、極めて高度な救出能力を必要とする災害現場において、より迅速かつ的確に被災者の救出救助を行うことを主な任務とする、特別救助班（Ｐ－ＲＥＸ（注2））が設置されています。

平成18年3月には、迅速かつ的確な検視や遺族等への遺体の引渡し、安否情報の提供を行う「刑事部隊」が設置されました。

（注1）北海道警察、宮城県警察、警視庁、埼玉県警察、神奈川県警察、静岡県警察、愛知県警察、大阪府警察、兵庫県警察、広島県警察、香川県警察、福岡県警察、千葉県警察、京都府警察、新潟県警察及び沖縄県警察

（注2） Police Team of Rescue Expertsの略

警備部隊

高度な救出救助能力を備えるためのファイバースコープ、エアージャッキ等の救出救助用資機材、それらを運搬するためのレスキュー車等の災害活動用車両等を活用し、被災者の救出救助、行方不明者の捜索等災害から直接人命を守る活動を行います。

警備部隊による活動（平成30年　西日本豪雨中部管区内　各県警）

交通部隊

オフロードバイク等を活用して被害情報、交通情報等災害対策のために必要な情報を多角的に収集し、警備本部等に報告します。
また、災害応急対策に従事する要員等が迅速に被災地に到着できるよう、緊急交通路の確保、緊急通行車両の先導等を行います。

情報収集活動（平成28年　熊本地震　愛知県警）

交通部隊による活動（平成28年　熊本地震　愛知県警）

刑事部隊

被災者の心情に配慮した上で、遺体安置所における遺族等への遺体の引渡しに当たるとともに、遺族等への安否情報の提供に当たっています。

訓練の様子

広域緊急援助隊は、災害発生時に即応できるよう、都道府県警察単位で訓練を行うとともに、各管区警察局単位で大規模な合同訓練を実施しているほか、自治体等の防災訓練にも積極的に参加し、対処能力の向上に努めています。